DDPP報告シンポジウム2
低炭素社会をどう実現するか?
開催概要
- 日時:2015年10月29日(木) 13:30~16:30
- 場所:東京工業大学キャンパス・イノベーションセンター 国際会議場
〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 - 主催:国立環境研究所社会環境システム研究センター
環境研究総合推進費2-1402
東京工業大学 持続可能な発展を目指した環境・社会経済システム研究推進体
開催趣旨
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、2014年に公表した第五次評価報告書において、世界平均気温の上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑えるという2℃目標の達成のためには、2050年の世界全体の温室効果ガス排出量を2010年比41~72%削減することが必要と示しています。2015年11-12月にパリで開催される気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、2℃目標の実現に向けて、2020年以降の温室効果ガス排出削減目標が議論される予定です。
これに先立って、日本政府は2015年7月17日に、日本の2030年の温室効果ガス排出量を2013年比26%削減するという約束草案を、条約事務局に提出しました。しかしながら、2011年3月11日に日本を襲った東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故以降、わが国の温室効果ガス排出削減に向けた議論は盛り上がってはいません。その理由が、「どのように温暖化対策をすればいいかわからない」という意見に隠されていると考えています。2050年とは遠い将来のことですが、今の中学3年生が50歳となるのが2050年です。その間に我々は何に取り組めばいいのか、次世代に何を残すことが必要なのか、ということについて人任せにするのではなく、自分の問題として考えることが重要です。
そこで、本シンポジウムでは、2050年という長期を対象とした温室効果ガス排出削減についてのシナリオを示すとともに、それをどのように実現するかという点について、現場で取り組んでいる方々の講演を通じて、我々ひとりひとりが考えるきっかけを掴んでいただくことを目的としています。
プログラム
時間 | 内容 |
---|---|
13:30~13:45 | はじめに+約束草案+COPに向けた現状(PDF/396KB) 増井 利彦(国立環境研究所) |
13:45~14:05 | DDPPの結果(PDF/1,334KB) 大城 賢(みずほ情報総研株式会社) |
14:05~14:20 | 東京都排出量取引制度から見えたCO2削減の可能性(PDF/1,248KB) 木村 真弘(東京都環境局) |
14:20~14:35 | 電気・電子機器によるCO2削減貢献(PDF/1,375KB) 小林 由典(株式会社東芝) |
14:35~14:50 | HEMS、BEMS等を通じた取り組みとCO2削減の可能性(PDF/1,507KB) 岩船 由美子(東京大学生産技術研究所) |
14:50~15:05 | 再エネ導入に向けた取り組み(PDF/1,785KB) 佐藤 郁(戸田建設株式会社) |
休憩 | |
15:15~16:25 | パネルディスカッション モデレーター:甲斐沼 美紀子(国立環境研究所・地球環境戦略研究機関) パネリスト:大城 賢、木村 真弘、小林 由典、岩船 由美子、佐藤 郁 |
16:25~16:30 | 閉会挨拶 甲斐沼 美紀子 |
資料
登壇者プロフィール
大城 賢(おおしろ けん)/ みずほ情報総研株式会社 |
みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第1部 コンサルタント 東京工業大学社会理工学研究科修了。2010年より現職。 |
木村 真弘(きむら まさひろ)/ 東京都環境局 |
平成18年度から約10年間にわたり都の気候変動対策に幅広く関わっている。現在は、東京都環境局の総量削減課長として、総量削減義務と排出量取引制度を担当し、大規模事業所における省エネ対策等を推進している。 |
小林 由典(こばやし よしのり)/ 株式会社東芝 |
1999年、東京工業大学社会理工学研究科を卒業。同年、株式会社東芝に入社し、研究開発センターでエコデザイン手法の研究・開発に従事。2009年からはコーポレートスタッフ部門に異動し、環境戦略の策定等に携わる。 |
岩船 由美子(いわふね ゆみこ)/ 東京大学生産技術研究所 |
東京大学生産技術研究所 博士(工学) 東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了 三菱総合研究所、住環境計画研究所勤務を経て、2008年より東京大学生産技術研究所に勤務。2015年4月より現職。 |
佐藤 郁(さとう いく)/ 戸田建設株式会社 |
戸田建設株式会社 価値創造推進室 エネルギーユニット 部長 博士(工学)、技術士(建設部門、情報工学部門) 1991年 京都大学工学部土木工学科卒。戸田建設株式会社に入社し、シールドトンネル、橋梁、浮体式洋上風力発電の技術開発などを手がける。 |
甲斐沼 美紀子(かいぬま みきこ)/ 国立環境研究所・地球環境戦略研究機関 |
国立環境研究所フェローおよび地球環境戦略研究機関研究顧問 1973年京都大学大学院工学研究科修士課程修了。1977年国立公害研究所(現国立環境研究所)入所。1990年地球環境研究グループ温暖化影響対策研究室、2006年地球環境研究センター温暖化対策評価研究室長を経て、2011年より現職。 |
増井 利彦(ますい としひこ)/ 国立環境研究所・東京工業大学大学院 |
国立環境研究所 室長/東京工業大学大学院 連携教授 1997年大阪大学大学院修了。1998年国立環境研究所研究員。2000年に東京工業大学併任助教授、2006年より現職。統合評価モデルであるAIM(Asia-Pacific Integrated Model)の開発とそれを用いた将来シナリオの定量化や政策評価を行う。 |